水彩画・和装・武道・歌舞伎など、日本にはさまざまな独自文化が存在します。
その中でも海外に広く知れ渡り関心を引いているのが食文化です。
とりわけ寿司は人気が高く、国外でも数多くのお店がオープンしていますが、やはり日本のものとは異なる点も少なくありません。
本記事は、日本ならではの寿司の魅力から、美味しく食べるための方法まで詳しくまとめました。
日本文化を感じられるお店の選び方も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
日本食の代表「寿司」の魅力
日本の寿司は1200年以上の歴史があり、今日にいたるまで何度も進化を重ねてきました。
いまの日本人が知る寿司には以下のような魅力に溢れています。
- 旬のネタが楽しめる
- 職人技を堪能できる
- 日本酒との相性が良い
なぜこうした魅力を持つのか、詳しく見ていきましょう。
旬のネタが楽しめる
日本には四季があるため、季節ごとに異なる旬のネタを楽しめるのが大きな魅力です。
同じ魚であっても身の締まり方、脂の乗り方は獲れる時期によってさまざま。
一番美味しい時期に、一番美味しい形で食べられるところが、特徴といえるでしょう。
また、太平洋と日本海に面しているため、さまざまな種類の魚が獲れるのも日本ならではの特徴です。
脂が乗った中トロ、甘みが口に広がるアオリイカ、ねっとり濃厚な味わいが楽しめるウニ……。
日本の寿司屋を訪れるのなら、旨味が凝縮された旬のネタをぜひご賞味ください。
職人技を堪能できる
寿司の美味しさと美しさを作り出す要は、職人の技に他なりません。
シャリの絶妙な炊き加減や酢の量、ネタの切り方から温度管理まで、職人の手にすべてかかっています。
ひとつでもミスがあれば、途端に品質が損なわれてしまう繊細なものです。
「シャリ炊き三年、合わせ五年、握り一生」と言われるほど、多くの修業が必要とされている寿司職人。
魚に慣れ親しんだ日本には一生を捧げるプロの職人が多く存在していて、日々その技で多くの人を感動させる逸品を作り続けています。
日本酒との相性が良い
米から作られる日本酒も、日本の食文化を語る上で欠かせません。
和食との相性が抜群な日本酒は、もちろん寿司ともよく合います。
日本酒、寿司ともに種類が多く、味わいが異なるため、それぞれの旨さを引き立てる組み合わせを見つけるのも楽しみのひとつ。
専門店の中には「鮨まつもと」などのように、料理と相性の良いお酒を用意しているお店もあります。
ネタやお酒の相性が分からず不安な方には、板前さんに相談しやすいカウンタータイプのお店を選ぶと良いでしょう。
「寿司」を堪能できる食べ方
ここからは実際に料理を食べる際のポイントを紹介します。
- 食べる順番
- 寿司の持ち方
- 醤油・わさびの使い方
- 口への運び方
- ガリを食べるタイミング
海外から来日されている方、接待などで利用する方は参考にしてください。
食べる順番
結論からいうと、食べる順番に決まりはありません。
よく言われる「味が淡白なネタから脂の乗ったネタの順に注文する」というのは、美味しく食べるために推奨している順番というだけです。
その時々で好きなものを食べたいのか、寿司を最大限美味しく食べたいのかは、人によって優先順位が異なるでしょう。
寿司の持ち方
箸と手、どちらで持っても構いません。
箸で持つ場合は寿司を掴む前に、ネタとシャリを合わせたまま横向きに倒しましょう。
その状態からネタとシャリを箸で挟むと、醤油をネタにつけやすく寿司が崩れる心配がありません。
手で持つ場合は親指・人差し指・中指の3本で優しく掴みます。
箸よりも力加減がしやすいため、力が強い方や箸を使うのが苦手な方は手で食べると良いでしょう。
ただし手で食べる場合でも、ガリだけは箸を使うようにしてください。
醤油・わさびの使い方
わさびは醤油に溶かず、ネタの上にちょこんと乗せて使います。
醤油はシャリにつけると崩れるため、寿司を返してネタ側につけましょう。
ただし軍艦の場合は、横にしたりひっくり返したりするとネタがこぼれてしまうためNG。
ガリに醤油をつけて軍艦のネタにちょんちょんとつけると、寿司が崩れることもなく上品に食べられます。
口への運び方
ネタを下向きにした状態で食べるのがおすすめです。
なぜなら味覚を感じる器官は舌に備わっているため。
舌の上にネタが触れるようにすることで旨味が口の中に広がり、寿司の美味しさを最大限に楽しめます。
口に入れた後は一口で食べきるのがマナー。
二口に分けたり口に運ぶ前に箸で切ったりするのはマナー違反です。
どうしても一口で食べきれない場合は口元で切り、皿に戻さず口の中が空いたら残りを食べましょう。
ガリを食べるタイミング
さっぱりとしたガリは、異なるネタを食べる際の口直しとして食べるのが一般的です。
とくに脂が乗ったネタや甘タレを使ったネタの後は、ガリでリフレッシュするのがおすすめ。
また、ガリには殺菌効果や胃腸の働きを助ける効果も期待できます。
生魚を食べるのに不安がある方、胃腸が弱い方は箸休めとして合間に食べると良いでしょう。
日本文化が感じられる寿司屋の選び方
日本文化として寿司屋を訪れるのなら、適した店舗を選びましょう。
店舗選びのポイントは以下の3点です。
- 支払い可能な価格帯から選ぶ
- エリア・交通手段から選ぶ
- ミシュランガイド掲載店から選ぶ
これらのポイントを抑えた店舗であれば、心行くまで料理を堪能できるでしょう。
各ポイントについて詳しく解説していくので、司屋選びに失敗したくない方は参考にしてください。
支払い可能な価格帯から選ぶ
寿司屋の価格帯は幅広く、100円から利用できる大衆店もあれば、1食数万円する高級店もあります。
中には時価(漁獲量や質によって日々価格が変動する)としている場所も。
適当な店舗に入ってしまうと予算を超える恐れもあるため、お店選びには注意が必要です。
公式ページやグルメサイトを参考に、自分が支払える範囲の価格帯にある店舗を選びましょう。
価格帯が分からない場合は、電話で予算を伝えてから予約してくと安心です。
エリア・交通手段から選ぶ
旅行の際などに訪れる場合は、エリアや交通手段から店舗を選ぶのも手です。
ホテルや駅から行き帰りしやすい範囲のお店を選べば、気兼ねなくお寿司を楽しめるでしょう。
とくにお酒を一緒に楽しむ場合は、飲んだ後のことも考えた店選びをおすすめします。
ミシュランガイド掲載店から選ぶ
本格的な寿司を楽しみたい方には、ミシュランガイド掲載店から選ぶのがおすすめです。
ミシュランガイドとは世界中のレストランやホテルの中から、選りすぐりのお店を紹介しているウェブサイト(古くはガイドブック)のこと。
紹介店舗は一つ星から三ツ星まで、三つのランクに分かれています。
星の数ほどある飲食店・宿泊施設の中から選ばれるのは至難の業であり、掲載店はまさにプロ中のプロが営む店といえるでしょう。
たとえば前述の「鮨まつもと」の場合、2019年、2020年にミシュランガイド東京で一つ星を獲得しています。日本の趣をより堪能したい場合は、京都の店舗へ訪れるのがおすすめです。「京都 鮨 まつもと」は京都駅の目の前に店舗があるため、アクセスも良く、観光の前後でお料理を愉しむことができます。
このように、日本にはミシュランに認められた寿司屋が存在しているため、気になる店舗がないかぜひチェックしてみてください。
和食で日本の文化を堪能しよう
和食は目と舌で味わう、日本の伝統文化です。米と魚を使った寿司は、そんな日本の食文化を代表するメニューといえるでしょう。
海で獲れた魚介類は職人の手により、一番美味しい状態で私たちのもとへと届けられます。一度食べたら病みつきになる、日本の寿司の奥深い魅力にぜひ触れてみてください。